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【以下、きさらぎ さんONLY vV】

























きさらぎ さん

拍手ありがとうございます!!
きさらぎさんのコメントを受けて以下の物を完成させてみました☆
なにげに不憫なレニさんが楽しいので、これからも○○編ってカンジで気が向いた時にSSSを書いてみようかと思ってます。
とりあえず、コメントくださった分に加筆修正して完成させました。





もう何も問題はない。
アーシェとの仲も昔のように―――いや、昔以上に深まり、魔王という地位もほぼ手中に収めたことで、誰も俺達の関係に意義を唱える者などいない。
ずっと欲しかったものが永遠になったのだ。
だからこそ、意気揚々と大手を振って、魔界に戻ってきたというのに………


まさか、まだこんな難関が残っていようとは夢にも思わなかった。


【魔王候補のよくある日常 -朝の挨拶編-】



魔王となる為に魔界に戻ってきて数日が経っていた。

カーテンの隙間から柔らかい月の光が差し込んでいる。
目覚めた瞳に優しい魔界の朝。

人間界の強烈な陽の光は懐かしいものになっていた。
苦手だと思っていたが、いつの間にか体はおぼえていたらしい。
だが、それよりも重大な喪失感があった。
思い起こせば、初めて一夜を共にしてから魔界に戻るまで同じベッドで過ごしていた。
体を重ねなくても、目覚めた時にその存在をみとめるだけで幸せだった。
甘い香り。柔らかな肌と温もり。人間界の朝陽の中で浮かび上がる輪郭。
うっすらと開いた瞳に自分が映った瞬間、溜息を零れるほど美しく綻ぶ大輪。
ほんわずかな間だけだったというのに、自分にとって呼吸と同じくらい当たり前で大切なことになっていた。

ずっと傍にいると―――離れないと思っていたのに………

広いベッドに一人で眠ることを余儀なくされていた。



魔界に次期魔王として戻ってきても、すぐに魔王になれる訳ではない。
それなりの準備が必要である。
魔王に就任するまでは、単なる魔王候補。
ほぼ何の権限もない。
アーシェとも婚約者なだけ。
魔族と言えど、王族が公に婚前交渉を認めるはずもなく、部屋を別々された。

最初の数日はほん数週間のことと高を括っていたし、その気になればいつでもと安気に構えていたが……

実際のところ二人っきりになれるチャンスなどまるでない。
アーシェと過ごした人間界での生活が体に沁みついていたようで、日に日に心は疲弊していくばかり。
もはや禁断症状だと自分自身も認めている。
人間界では、ほぼ一日中、一緒に過ごしていたのだ。
いつでも、指を絡めて、唇を合わせて、体を重ねることができた。
だが、どうだ。ここでは、決まった時間にしか顔を合わせることができず、しかも絶えず第三者が傍に控えている為、キスはおろか手に触れることすらできない。ここまで徹底した禁欲状態ははじめてだ。

俺達が深い関係になっていることに気がついているだろうに、最後の嫌がらせなのか、執拗に二人きりになることを阻んでくる存在があった。
昼間は魔王として教育と称するカリキュラムを分刻みで組まれ、身動きが取れない。
夜は互いの部屋にしっかりと見張り役が立てられていた。
ただの見張り役だけなら、欺くこともできる。
が、アーシェの部屋には、最後の親子水入らずと度々魔王が泊まりにきていた。
一体何度目の『最後』が繰り返されてただろうか。
さすがに力が衰えているとはいえ、魔王を欺くことは不可能。
どうせ、自分が魔王になることは確定しているのだから、真っ向から対立することもできる。
しかし、魔王はアーシェにとってはたった一人の父親。
過去の出来事があるだけに、俺と魔王との仲を誰よりも心配している。
もし、ここで全面対立をして絶縁状態になるようなことになれば、アーシェが哀しむことは明らかだった。
たぶん、そういうアーシェの性格も考慮されているのだろう。
まったくセコイ手を使ってくる。

相手はもう後がないのだから、勝者の余裕を見せつけてやればいい。
後少し、後少しで、すべては俺の望むがままになるのだから、俺が大人になればいい。

1人きりのベッドの中で今日も自分を奮い立たせる。

ふと気がつくと、朝食の時間が迫っていた。

遅れれば、是見よがしに嫌味を言われる上に、アーシェとのわずかな逢瀬も少なくなってしまう。

負けるものかともう一度気合を入れると、ベッドから下りて、せかせかと身支度をはじめた。




「おはよう。レニ。」

鈴の音を転がすような声が出迎える。
自分だけに向けられた言葉と視線に、さまざまな想いが胸に込み上げてきた。
花のような笑みで見つめられると、時間が止まってしまったように体が麻痺する。
この笑顔を独占できるなんて、なんていい1日なんだろう。
今日も可愛らしく自分を出迎えてくれたアーシェに天にも昇る心地だ。


「おはよう。レニ。
 今日もゆっくりだったようだな。
 それにアーシェが朝の挨拶をしているのに無視か。
 まだ寝ぼけているのか?
 疲れているなら、朝食は部屋の方へ用意させるから、もう少し寝ていてもいいぞ。」

二人だけのささやかな甘い空気が一掃される。

一見 俺のことを気遣っているようなヤサシイ言動の裏側には、別の意図が隠されている。
抜け抜けと一呼吸置いて、タイミングを見計らう辺りが忌々しい。
アーシェとの少ない逢瀬をこれ以上削られてなるものか!!

視界いっぱいに納まったアーシェの表情に後ろ髪を引かれながら、軽く視線を合わせて挨拶を返すと、視線をヤサシイ言動の主へと移した。
仮面のように張り付いた最上級の微笑み。
女や魔力の乏しい者なら、その輝く存在感の前に平伏し、言葉をなくして見惚れているだろう。
現に、メイド達が魔王に心奪われている姿が視野の端に映る。
だが、お世辞でも魅了されてやるものか!!
負けじと、最上級の微笑みを返すと、魔王に向いていた周りの視線がこちらに向くのを感じる。
内心 してやったりとほくそ笑みながら、

「おはようございます。魔王殿下。 
 しっかり休ませていただきましたので、ご心配には及ばず。
 未来の妻があまりにも美し過ぎて、心を奪われていただけです。
 殿下がお声をかけて下さらなければ、ずっと心を奪われたままの状態でしたでしょう。
 感謝します。」

魔王の向こう側にいるアーシェが頬を染めてはにかんでいる。
その様子を魔王も把握しているだろう。
周りの従者達はもちろん愛娘の心もすべて掴んだのだ。悔しかろう。

だが、そんなことはおくびにも出さず、魔王は余裕の表情で。
 
「我が娘が魅力的なことは認めるが、それに現を抜かすようでは、まだまだ半人前だ。
 魔王たる者、いついかなる状態でも、最良の選択をしなければならない。私情をはさむような魔王では務まらん。
 教育が足りないのかもしれないな。
 まだまだ余裕なようだし、もう少し詰めてみるか。」

ちょっと待て!!まだ増やすつもりか!!
もう少しって……追加される量は少しではないだろうことは、既に心得ている。
言っていることは、確かに間違いではないが……
そもそもの原因は欲求不満のせいだ!!
それに、散々私情をはさみまくって、俺のことを永久追放したくせに、自分のことは棚に上げて、その言い草か!!

激しい憤りが胸の中でのたうちまわっていた。
しかし、それを表に出すことは、さすがに今後の自分の進退を考えるとできず。
心からの余裕の笑みを引っ込め、真摯な表情で項垂れるフリをギリギリと奥歯を噛みしめながら持続した。

最高の1日を切ったと思っていたのに、いつの間にかその心は乱され、今日これからのことを思えば、憂鬱な気分である。

こうして、またしても最悪な1日は始まった。

END
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Author:梨理
なんか好き勝手に叫んでます。

ここにある小話は80%以上の確率で未完成ですので注意☆

長い空白を経て生まれ変わりました!!
もう2009年以前には戻れない。

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